加藤笑平パフォーマンス『あなたのゴミをください』実施内容
日時:2010年7月3日(土)13:00~15:00
場所:13:00~14:00上通・長崎書店ウインドウ前、14:00~15:00 上通アーケード入口
出演:加藤笑平(アーティスト)
内容:
人間が生活していく以上、必ず出てくる「ゴミ」。それはある人にとってはとるに足らないものである一方で、かけがえのないストーリーを含むものでもあるかもしれない。
『あなたのゴミをください』は、アーティストの加藤笑平が様々な格好に扮し、道行く通行人から「ゴミ」をいただくパフォーマンスである。天草市佐伊津で「天草在郷美術館」を主宰し、アーティスト活動と製塩業に従事する加藤は、パソコンや携帯などを用いた現代的な日常生活を送る一方で、高校時代以降、洋服をほとんど買わず、稲作や野菜作りを行うなど、自然に深く根差した暮らしを実践している。そのアンビバレンツな生活の中から導き出された「消費生活の矛盾」や「身体性の再確認」を、絵画作品やパフォーマンスの中に折り込んでいる。
今回のパフォーマンスは、天草で独特の暮らしを営む加藤が、「ゴミ」を介在として、熊本の人と「出会う」ことによって新たなコミュニケーションを誘発し、そこで得た物理的な「ゴミ」と「体験」とを、最終的に平面の絵画作品へと昇華させるものである。
加藤は18歳以降、新品の洋服を買ったことがないという。
このパフォーマンスは、加藤が18歳まで着ていた洋服や
ハギレなど、自分自身のまわりにある古い布で作った衣装をまとって佇み、街ゆく人と“ゴミ”について語るパフォーマンスである。脇に「あなたのゴミをください」の主旨を書いた手描きの看板を設置する。多くの人はいぶかしげな顔で通りすぎる。何人かの人が立ち止まって話しかけてくるかもしれない。うまく話をすることができれば、その人がその時点で持っている“ゴミ”を、その場で譲り受ける。 場所:長崎書店ウインドウ前(13:00~14:00、約1時間)
加藤がサラリーマン風のスーツを着用し、通行人に“ゴミ”に対する意見を聞くパフォーマンスである。「僕はゴミを使った作品を制作しているアーティストなのですが、今何かゴミをお持ちですか?」多くの人は「あいにく、今ゴミは持っていません」と立ち去る。「ゴミといわれても…」とバッグの中を探しはじめる人もいる。加藤と話をする中で、「18歳の息子と久しぶりに光の森に『ダーリンは外国人』を見に行った時の映画の半券」や、「友だちにあげようと思ってとっておいたけど使わなくなったクーポン券」や、「キッチングッズのセール目当てにいったけれど売り切れていた、フリーペーパーの切り抜き」などと、ささいなゴミからもその人の暮らしが浮かびあがってくる。ご本人の許可が得られれば、そのゴミを加藤が譲り受け、作品に昇華させていく。場所:上通アーケード(14:00~15:00、約1時間)